
Connected Devices:インターネットパフォーマンス監視の次なるフロンティアを切り開く
見えない障害を見抜く新視点
2025年3月25日
著者: Howard Beader
翻訳: 逆井 晶子
この記事は米Catchpoint Systems社のブログ記事「Connected Devices: Unlocking the next frontier of Internet Performance Monitoring」の翻訳です。
Spelldataは、Catchpointの日本代理店です。
この記事は、Catchpoint Systemsの許可を得て、翻訳しています。
昨年のCrowdStrikeの障害のような出来事が注目を集める一方で、インターネットのレジリエンスに関する本当の戦いは、グローバルな舞台ではなく、金融エリアの一角、過負荷のクラウドデータセンター、あるいは地方のISPの過剰なピアリングポイントで繰り広げられています。
従来の監視ツールは、大まかな範囲を対象として設計されており、これらの非常に局所的な障害を見逃してしまいます。
マイクロ障害は、都市の一区画、自律システム、または単一のCDNノードに限定されて発生し、ステータスページやニュースではほとんど取り上げられません。
しかし、これらは静かに信頼を損ない、収益を流出させ、ユーザー体験を損ないます。
そこで登場するのがConnected Devicesです。
これは、Catchpointが開発した革新的なInternet Performance Monitoring(IPM)の進化形であり地理的に分散された何百万もの実ユーザーデバイスからより広範なインサイトを取得することで、マイクロな盲点を排除することを目的としています。
Connected Devicesとは?
Connected Devicesは、Catchpointの約3,000のインテリジェントエージェントからなるグローバルエージェントネットワークを強化する、新たなデータソースです。
これにより、数千万の軽量エージェントが追加され、ネットワークの精度とスケールが両立されます。

この融合により、偏りのない正確かつ地理的に特化したパフォーマンスおよび可用性のデータが得られ、あらゆるエッジ拠点が実用的なインサイトを得るための観測点となります。
主な強化ポイント
- デュアルレイヤーのパワー
- 複雑なマルチステップテストを実行する3,000のインテリジェントエージェントの深さと、数千万のConnected Devicesの広がりを組み合わせています。
- 実世界での関連性
- 実ユーザー環境から合成テストを実施し、インサイトが実際のユーザー体験を反映します。
- 高頻度なモニタリング
- 高頻度かつ軽量なチェックにより、マイクロな問題を早期に検出し、深刻化を防ぎます。
- 広範囲かつ高精度な可視性
- 都市、ネットワーク、プロバイダー単位で、マイクロ障害、ISPのボトルネック、CDNのパフォーマンスギャップを検出します。
- IPMとのシームレスな統合
- API監視、実ユーザー分析、障害検出など既存機能を強化します。
Connected Devicesの意義
インターネットは国境がありませんが、可視性には限界があります。
規制による分断、断片化されたインフラストラクチャ、偏ったピアリングがパフォーマンスのギャップを生み、従来の監視では見逃されてしまいます。
Connected Devicesは、地理的・ネットワーク的に特化した前例のない範囲のデータを提供することで、この問題を解決します。
グローバルに分散された何百万ものデバイスから得られる高ボリュームのデータによって、企業は連続的でエンドツーエンドの可視性を得ることができ、盲点を排除し、卓越したデジタル体験をあらゆる場所で実現できます。
早期アクセスプログラムに参加しましょう
Connected Devicesへの早期アクセスの受付を開始します。
このプログラムは、インターネットの盲点を解消し、レジリエンスの新たな基準を築こうとする先駆的な企業のために設計されています。
Webサイト、エッジネットワーク、各種デバイスやモバイルアプリなど、あらゆるエコシステムに軽量かつインテリジェントなエージェントを導入し、合成(アクティブ)および実ユーザー(パッシブ)のテレメトリを幅広く収集します。
これは単なるデータ収集にとどまらず、協働による価値創出を目的としています。
お客様の独自テレメトリと、Catchpointのグローバルエージェントネットワークや数百万のエッジデバイスからのインサイトを組み合わせて、すべての関係者に価値をもたらすインテリジェンス層を構築します。
共に、隠れたボトルネックを発見し、サードパーティのパフォーマンスを検証し、インターネット全体の改善を推進していきましょう。
早期アクセスで得られるもの
- 問題の予防的解決
- サンパウロのマイクロ障害や東京のモバイルキャリアの遅延を早期に発見します。
- ベンダーの説明責任
- 自社ネットワークのデータを使って、CDN、ISP、クラウドプロバイダーをベンチマークします。
- Tier-1アプリのレジリエンス
- 数百万のデバイスからのリアルタイムインサイトで、グローバルアプリのパフォーマンスを確保します。
- APIとサードパーティの信頼性
- 内部および外部APIの稼働時間、遅延、機能性を監視します。
- ネットワーク到達性の向上
- 「利用可能だがアクセス不能」な状態を引き起こすDNS、BGP、ISPの問題を検出します。
- デジタルワークフォースの生産性
- Wi-Fi、SaaS、ISPの問題を迅速に解決し、リモートチームを支援します。
- ロードマップへの影響力
- DNS、ISP、地域ベンチマークの拡充を含む将来の機能改善に協力できます。
Connected Devicesの第一機能:Catchpoint Benchmarks
Catchpoint Benchmarksは、Connected Devicesによって実現された最初の主要機能であり、CDN、DNS、ISP、クラウドプロバイダーといったインターネットスタックの主要構成要素に対するパフォーマンスを測定します。
初期リリースではCDNベンチマークに対応し、数百万の実ユーザーデバイスを活用して、ベンダーに依存しない信頼できるインサイトを提供します。

Benchmarksの意義
地域、ISP、個々のネットワークノードによってCDNのパフォーマンスが大きく異なる現代において、適切なCDNの選定と実際の地理的条件に基づくパフォーマンスの監視は極めて重要です。
しかし、多くの企業はバイアスのかかったベンダーレポートや実験室でのシミュレーションに依存しています。
Benchmarksは、データに基づいた正確なインサイトを提供し、企業がマルチCDN戦略を効果的に実行、適応、最適化できるように支援します。
Catchpoint Benchmarksにより可能になること
- ローカライズされたパフォーマンスの測定
- CDNプロバイダーの速度と信頼性をマイクロ地域レベルで正確に評価し、並列比較と第三者による独立検証が可能です。
- グローバル対応とミクロな精度の両立
- 多様なISP、地域、デバイスでテストを実行し、CDNパフォーマンスの微妙な実世界での差異を明らかにします。
- 戦略的な最適化
- 異なるCDN製品の強みと弱みを明確に特定し、コンテンツ配信戦略を精密に調整できます。
仕組み
Benchmarksの初期リリースでは、主要なCDNに対して偏りのない実環境でのテストを実行し、速度、信頼性、地域別配信といったパフォーマンス指標を測定します。
匿名化された公開データセットにより、業界全体での比較が可能となり、自社のCDNを競合他社とベンチマークすることができます。
Benchmarksは、CatchpointのRUMタグを使用して自社Webサイト上で直接実行することも可能であり、自社トラフィックに特化したCDNパフォーマンスのインサイトを提供します。

今後の展開
Benchmarksは、DNS、ISP、クラウドプロバイダーへと拡張され、Connected Devicesの拡大するエッジネットワークを活用していきます。
インターネットレジリエンスへの次のステップを踏み出しましょう
収益や評判に影響を及ぼす一瞬一秒が重要となるデジタル環境において、最大の資産は「可視性」です。
Connected Devicesとその中核機能であるCatchpoint Benchmarksは、断片的なデータやベンダーに依存した推測を超えた視野を提供します。
実世界の何百万ものデバイスを活用することで、パフォーマンスを最適化し、説明責任を強化し、デジタルエコシステムのレジリエンスを確保するための精度を得ることができます。
これは単なる監視ではなく、より高速で堅牢なインターネットを実現する先導的な取り組みです。
盲点を排除する準備はできていますか?